日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116 (列島自然めぐり) 年代で見る 日本の地質と地形: 日本列島5億年の生い立ちや特徴がわかる

秋田大学理工学部 通信教育 地球科学コース 2016年夏 スクーリング

2016年7月22日(金)~24日(日)にかけて、秋田大学でのスクリーンが開催されました。

22日の金曜日に開催予定の「岩石の強度実験」にとても興味があったのですが、今回は断念し、土曜日と日曜日の授業に申し込みました。それでも自宅から秋田大学の交通事情を考えると、前日に秋田移動する必要があったので金曜日は会社を休んでの参加です。

簡単に紹介させていただきます。

 

23日(土)午前

テーマ:石油資源開発実験

内容:浸透率と孔隙率の測定実験です。2グループに分かれてそれぞれ交代で実験しました。簡単に装置の説明を受けた後、実際に測定で得られたデータから浸透率と孔隙率を求めます。

写真の写真は浸透率を測定する装置。研究室の方の手作りの実験装置です。

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23日(土)午後

テーマ:電気探査の理論と実験

内容:電気探査の理論を学んだあと、屋外で電気探査実験をします。そのあと解析方法を使ってデータをプロットし、地下の比抵抗構造を解析するというものでした。

 

3グループに分かれ、大学の敷地内で測定します。この日はとても良い天気で暑い日だったので、日陰で助かりました。

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直線にならべた電極棒の間隔を徐々に広げていき、電位差を測定するという方法でした。

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24日(日)午前・午後

テーマ:男鹿半島地質巡検

内容:野外での地層観察で6か所訪れました。1か所目は原油の採集施設、その後の5か所は古い地層から順番に新しい地層へと移動しながら見学する、という流れでした。

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1か所目:外旭川の油田見学。プラントの方に説明いただきました。秋田では今も採油が行われています。さすがに量は減ってしまい、ここでは1日400リットル程度が採れるそうです。吸い上げたものの9割が水で1割が石油、寿命が尽きかけているとのこと。吸い上げた水はまた地下に戻すのですが、この水を戻す作業がとても重要で、これがうまくいかないと採油のボトルネックになってしまうそうです。この写真の装置では地下2,000メートルくらいまでの深さまで採油できるそうです。

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ここで採れた石油は北海道の製油所に運ばれるそうです。

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2か所目:観光案内では「椿の白岩」と紹介されている1,800万年前の火山灰層で、日本列島が大陸から離れ始める直前の地層だそうです。

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こちらは玄武岩質礫岩。炭酸カルシウムが認められるとのことで、海ができ始めた、すなわち日本海ができてきたころの地層だそうです。

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 3か所目:次は1,400万年前の海綿の化石探し。砂岩であり当時は波の力が及ぶ浅い海であった。化石探しは初めてでしたが、とても楽しかったです。

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 4か所目:1,000万年前の地層でニシンの化石探し。泥岩の中にニシンのウロコや骨の化石が見つかるということで、みんな真剣に探しました。このころの秋田は水深1,000メートルの海で、海底は無酸素状態であったと考えられています。無酸素状態だったので、有機物である死骸がそのまま保存され、またこの有機物が秋田の石油の根源岩となっているそうです。

拾った石を持って帰ってきました。細い線が骨のようです。

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 5か所目:100万年前の地層。このころ秋田は陸になっていたが、男鹿はまだ深い海だったそうです。シルト岩と砂岩の互層が見られます。シルト岩は深い海の泥。砂岩の砂は秋田市寄りの浅い海から、まだ深い海だった男鹿にダーッと流れて落ちて堆積したとのこと。よって交互に見られるそうです。

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6か所目(最終か所):第四紀末の火山活動でできた寒風山安山岩と火口周辺。今ではパラグライダーの練習場になっていて、眺めがとてもよかったです。

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とても充実した2日間でした!できればまた参加したいと考えています。

余談ですが秋田大学附属の鉱業博物館はスクーリングの金曜日、土曜日は展示時間を延長してくれていて、スクーリング参加者は入館料も無料でした。鉱物、岩石が多く展示されています。